2006年4月日記
2006.4.11
欲望の街、東京。
僕の中では幼少の頃からそんなイメージが植えつけられていました。
電車に乗れば痴漢やスリの嵐、街を歩けばエージェントスミスみたいな人たちが寄ってきて
無理矢理店に連れ込まれ一杯5000円の午後ティーとか飲まされて、金が払えなければ
店の奥から北斗の拳の雑魚キャラみたいなごっつい人が出てきてパンツ一枚にされて店の外に
放り出される。東京にはそんなイメージがあったのです。
とにかく東京は怖いところだと。

そんな僕ですがなんだかんだとやってるうちに東京に慣れてきて、
電車に乗るたびにケツポケットに入っている
財布をガードするなんてこともあまりなくなってきたわけです。
調子にのって独りで新宿とか歩き回る程度には慣れてきたのですよ。

それでもやっぱり魔都東京。不夜城新宿。
新宿駅構内で迷いまくって、ヘタしたらこのままここで
野垂れ死ぬことも視野にいれるほどに迷ったりもするわけで。

でもその時僕は新宿の新の姿をまだ知りませんでした。
迷うなんてまだまだ平和だった。
出口はどこだと彷徨っていた時にものすごいものを発見してしまったのです。

東京都やその近郊にお住まいの方々はキヨスクって1度は目にしたことがあることと思います。
飲み物や、雑誌、電車の中で食べれるような軽食等が売られている駅の補給基地。
あのキヨスクに雑誌の他に小説や漫画の単行本が、変なグルグルまわる本棚に入って
売られているのを見たことがあることだと思います。
普通なら無難に時代物小説だとか、推理もの、特急密室殺人事件だとかの
売り上げを上げたいのか下げたいのかよくわからない本などが売られているものなのですが
新宿は違う。眠らない街新宿は違う。

なんていうか、そのグルグルまわる本棚の上一段全てがエロ小説だった。
エロ本に精通した猛者の諸兄はご理解いただけると思いますが、フランス書院の
「女教師美奈子の課外授業」とか「未亡人―蜜に濡れた喪服―」だとかそういう類の
エロ小説ってカバーが黒いんですよ。
そのまるでオスの欲望を表したかのような真っ黒いカバーの小説が、
丸一段ドスンと陳列されていたわけです。

もう震えが来たね。
どんだけエロいねんと。どんだけ欲望の街やねんと。
そんなに大量のエロ小説の中から物色するような奴がいるのかと。これから電車に乗るってのに
大量のエロ小説の中からお気に入りを気合い入れて物色するのかと。

サワヤカなイメージのキヨスクすら欲望の色に染め上げられた新宿。
母さん、やっぱり東京は怖いところです。

2006.4.8
世間様では4月8日といえば入学式を思い浮かべることと思いますが、
本日は僕の誕生日でもあるわけで。

まあ興味ない人間の誕生日ほどつまらないものはないとは思いますけどね。
「誕生日?ふーん、おめでとう」
ってな感じで、とりあえずおめでとうって言っときゃいいやみたいな
もんだとは思いますけどね。
まあ僕自身人から祝福されるような人生は送っていないのでおめでとうなんていわれても
まあなんだ、うんありがとうくらいしか言えませんが。

そんなわけで誕生日であったとしても例外なく非モテキモ童貞な僕は独り。
知人に買い物でもいこうぜなんて言ってみたのですが、「今バイト中」とかいう
誕生日ネタとか全く触れない返答を戴きました。まあ他人の誕生日なんてそんなもんだよね。

とりあえずすることも無いので部屋の掃除をしてみたのですが、普通の休みと変わらない
過ごし方をしていると気付き、なんか悔しかったので新宿にいってきました。
なぜならそこに新宿があったから。

休みの日の新宿は人が多い多い。やっすい牛丼の、これ肉より玉ねぎの方が多いだろって
勢いで人が多い。意味わからん。
そしてカップルが多い。ヒドイ。なんでお前らは僕の誕生日にまでカップルなんだ。
今日くらいカップルじゃなくなれ!とかいういよいよシャレにならないような考えをしつつ
新宿駅構内で迷ってました。
なんだあの地下迷宮。ヘタしたら白骨化した死体とかありそうな勢いで出口がわからん。
歌舞伎町出口は発見できたのですけれど、意地でも歌舞伎町口からは出たくない。
僕みたいな純白な人間が歌舞伎町なんて近づいたら妊娠しかねない。
そんなわけで30分くらい迷ってルミネの近くの改札から脱出しました。助かった。

でも改札を出たら出たでひしめき合うカップル共。殺す気か。
だがしかしここで負けるわけにはいかない、と気力を振り絞ってショッピング開始。
でもね、ほら、僕って非モテキモ童貞じゃないですか。
いい服着ていい酒飲んでいい女抱いて、っていう新宿ドリームと最も遠い男じゃないですか。
そんな奴が新宿で独りでショッピングとか楽しめるはずがない。
しょうがないから紀伊国屋書店で立ち読みして帰ってきまった。

なんていうか、最寄り駅前の本屋でいいじゃねえかと思った。
移動に使った山手線で見た山手線占いなんて「穏やかな一日を過ごせそう」とか
書いてありましたけど、占いの通り家で掃除してれば良かった。
日記更新して、プロフィールに「誕生日4月8日」とか付け足して思いっきり
かまってちゃんを演出してれば良かった。ホントに付け足したけどな。
今日はカップルに打ちのめされに新宿に行ったようなもんだった。

まあマゾなんてそれはそれでいいですけど。
とりあえずハッピーバースディ!俺!!

2006.4.6
今日も今日とて緑色のニクイ奴、山手線が遅延しやがって
「時間調整の為に少々停車いたします」なんてアナウンスしやがるわけですよ。
何が時間調整だ。僕の時間も調整してください。

そんなわけで車内の広告とか乗車口上部の変なテレビを
キモイ勢いで見ているわけですけれど、なんか目的地までの効率的な向かい方を
ナビゲーションしてくれるツール「ナビタイム」のCMが流れていたのですよ。
サラリーマンが「(目的地まで)15時までに着けるかなぁ」なんて言いながら
携帯電話を開いてナビタイムを立ち上げると、
レーサーみたいな格好して緑色のヘルメット被った外人が隣にでてきて
「ハーイ!ナビタイム!」とかいうんです。
サラリーマンはその外人に気付かない様子で携帯電話をみながら
ナビタイムの指示通り行動するんです。

「そこを右だ!」
「2番乗車口だ」
「そこでタクシー」

そんな的確な緑色の外人の指示に従って見事15時までに目的地に到達。
「やったー、着いた!」
なんてことを言いながら携帯電話を閉じると外人も一緒に消滅。

なんだろう、ものすごく萌えた。
この外人、ナビタイム起動されるまで何してるんだろう。
普通に御飯とか食べてんのかな。次呼び出されるまで部屋で座って待ってるのかな。
たまにはヘコんでることもあるだろうに呼び出されたらちょうハイテンションなのな。
そうして召還されたとしてもナビゲーションが終わったらすぐさまに消えてしまう
その儚さに萌えた。きゅんとした。

なんかこういうのに弱いみたいです。

2006.4.5
使い古されたフレーズ、使い古されたネタ。
もはや古典とも呼ばれるような言葉ってものは、すごいなと思うわけです。
というのはそれだけよく人々に使われているわけですからね。
万人に共通のイメージを与えるに足りるほどに強烈で鮮烈なものだったわけですから。

朝にパンを加えながら遅刻遅刻ー!と叫びながら走り、
角をまがったところで主人公と激突する出会い。
本屋で偶然同じ本を取ろうとする男女。
毎朝主人公の家にきて朝ごはんを作って起こして一緒に登校する幼馴染。
これらは全て古典ともいえるような、
それ何てエロゲ?ってな感じの物語の始まりなわけです。

そんな物語の中で頻繁に使われてきたのは転校生という存在。
それは主人公という存在に共感を与えるためには絶好の立場なのです。
僕ら読み手はこれから始まる物語のいわば部外者なわけで、転校生という存在は
僕らと同じように今まで存在していた世界観に外部から入り込んでくるわけなのです。
主人公=自分という立場で、転校生として登場するにしろ、転校生を迎え入れる立場にしろ、
転校生という存在はこれから始まる物語の大きなキーとなるわけですよ。

そこで僕はいいたい。声を大にしていいたい。

これまた昔から良く使われていた「謎の転校生」というフレーズ。
これは自分が転校生を迎え入れる立場の場合に使われる言葉なわけですが、一言いいたい。

謎じゃない転校生なんているのかと。
自分のクラスに転入してくる転校生のことを
めちゃめちゃ良く知ってるなんて奴はいないだろうと。

「謎の転校生登場!」

いやいや、当たり前じゃねえかといいたいわ。
物語を盛り上げるためのスパイスなのかもしれませんが、そんな謳い文句で興奮できるほど
僕は若くないんでね。僕からしたら「あいつが転校!」のほうが何か色々切ない話とかあり
そうでそそられますわ。読んだあと鬱になりそうでそそられますわ。

なんだろう。
わかんねえなあ、世の中ってのは。
2006.4.3
いやいや。
なんか鎌倉日記は旅行に行って来たという勢いだけで書いた感がありまして、
非常に出来の悪い日記になりましたので忘却の彼方へと振りかぶって放り投げておきます。
やっぱり勢いだけで日記なんて書くもんじゃないね。
あの日は勢いだけだったものな。
朝起きて、まるでトイレに行くが如く鎌倉へ向かった時点で狂ってる。
結果あんな気持ちの悪い日記を残すハメになってしまいまして大変後悔しております。

そんなわけで今まで勢いに任せずにじっくりと熟考に熟考を重ねていたのですけれど、
このホームページの名前の通り僕は非常にマイナス思考であるために
何か思い浮かんでもじっくり考えすぎて、いやまてコレはつまんねーだろと
結局更新を逃す日々を過ごしておりました。

これはいけない。
やはり多少なりとも勢いで書いていかなくてはならないと思いなおし
今この文章を書いているわけです。やっぱり思考もいいけど勢いも必要だよね。
勢いで書くとこんな意味のわからん日記になるけどな。